最重要の焦点、米景気
ギリシャ危機やソブリン・リスクが市場を騒がせているが、金融市場の最重要の焦点は依然として米国経済の回復力にある。米国エコノミストの2010年経済見通し平均値は3%成長(最強気のドイツ銀行が3.8%)であり、二番底シナリオは完全に消えた。しかし尚、緩慢な回復、通常の回復期の半分のペースというものがコンセンサスである。
消費者悲観払拭
このコンセンサスが、更に上方修正される可能性が強まっている。昨日発表の1月家計貯蓄率は3.3%と大きく低下した。貯蓄率は2008年1Qの1.2%から金融危機による悲観の高まりにより2009年4月4.9%、5月6.4%と急上昇したが、6月4.9%、7月4.3%、8月3.4%、9月4.2%、10月4.1%、11月4.1%、12月4.2%と低下してきていた。その後の2010年1月の3.3%は、リーマンショック前のレベルであり消費者の悲観が払拭されつつあることを物語る。今後は、①雇用減少がピークの2009年1月の74万人から12月には2万人となりほぼ終焉したこと、②株上昇、住宅価格底入れで、資産効果がプラスに転じてきたことから、消費者心理の持続的改善はほぼ確実であろう。
9ヶ月でGDPの5割の純資産増加
ちなみに米国家計の純財産額は、2007年2Qの66兆ドルをピークに2009年1Q48.5兆ドルまで減少したが、3Qは53.4兆ドルと6カ月で5兆ドルの増加となった。4Qまでにはさらに2兆ドル程度の増加があるだろう。2009年2Qから4Qまでの9カ月間で米国家計の純財産額は7兆ドル、対GDP比50%ほどの増加したのだから、そのインパクトは軽視できない。
企業部門は準備万端
何故今、貯蓄率が重要なのか。それは現時点におけるほぼ唯一の米国経済の懸念要因が消費者の自信喪失だからである。米国企業部門の好調さは、①過去最低水準に低下した労働分配率、②過去最高水準に高まった資金余剰、③相次ぐ利益上方修正ラッシュ、から明らかであった。この企業部門に蓄えられた力が、果たして本格的需要創造に点火するかどうか、それを決めるのが消費者の自信度である。企業は投資余力も雇用余力も十分にある。あとは消費が回復する目途さえ立てば、企業家はGOサインを出せる。その鍵が、貯蓄率、そこで大きな改善(低下)が見られたのである。企業はいよいよ相当のペースでの雇用拡大に向かうだろう。投資家はこの潮目の変化を見過ごすべきではあるまい。
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