2010年8月27日
ストラテジーブレティン (25号)
民主党はリフレ政策にシフト出来るか
~当面はリスク回避を優先に~

不安化する住宅、最後の政策の支えが必要だ

米国経済の持続回復に、黄色信号がともっている。雇用の回復がすすまない中で、住宅価格再下落の恐れが出てきた。住宅価格はピークから3割下落し、取得能力や対GDP比では十分に割安になっている。住宅ローン金利はかつてなく低下した。しかし、抵当物件の売却などから売り圧力が強く、先安感が消えない。また慎重化した銀行の与信態度により、新規ローン実施も制約を受けているようである。住宅価格の再下落は金融危機再燃の引き金を引きかねない。財政金融政策の裏付けを持った、大規模な中古住宅需給対策が必要とされるかもしれない。

あと半年、米国はアニマルスピリットを維持し続ける必要がある

米国の企業部門は十分にスリムであり、利益と資金余剰は著しく高まっている。また株価も住宅同様に、金利との比較において著しく割安になっている。企業余剰は、①設備投資拡大、②自社株買い・配当増加、③M&Aの増加等となって次の需要拡大と株価上昇をもたらすだろうが、それにはしばし時間がかかる。その間アニマルスピリットが健在でなければならない。ここにも政策の支持が求められる。

米国景気、二番底は回避へ、だがしばしリスク回避が望まれる

当社は住宅価格対策と金融政策のサポートを得て米国経済は二番底に陥らず、長期的景気回復が実現する可能性が高いと考える。しかしここ数カ月から半年の間、市場の緊張が高まり、新たな政策のセットアップとの間で、リスク回避姿勢が強まると思われる。

「日本一人負け」鮮明に

米国経済不安定化の下でリスク回避=円高との思惑が進行し、日本経済と日本株式は、世界の中で最も打撃を受けつつある。輸出国であるドイツや韓国の株価が年初来の高値圏にあるのに日本株式は16%の大幅下落となっている。古典的な通貨切り下げ=近隣窮乏化政策的環境が強まる中で、日本円はより競争力の強い中国・韓国と比しても値上がりしており、その不当性を是正する政策が無い。

政策不在が解消される見通しが立つか

この「日本一人負け」を解消する政策主体の確立が求められる。しかし民主党の内部対立により、力強い政権主体の確立は見えなくなった。日本で新たなリーダーシップが確立されるまでには、政党再編成を含む大きな変動を経なければなるまい。

ただ短期的には小沢氏が勝利し、大きな政府・ばらまき政策復活の大連合が成立した場合、財政緊縮と伝統的金融政策に縛られている菅政権の政策が打ちすててられることとなる。それにより局面が変わる可能性も考えられる。

より長期視点で見れば、現在の経済と市場の混迷は陰の極となる可能性が強いと考える。現在がよりよい将来への転換点である可能性が高いと思われるが、近未来の投資環境は、厳しく見ておくべきであろう。


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