2011年7月20日
ストラテジーブレティン (47号)
サマーラリーの準備を、日本株の出番到来

世界的リスクテイクの復活、サマーラリーが始まった可能性が強い

① 好業績

⇒ マクロ景気の停滞(soft patch)にもかかわらず米国企業業績は好調。2Qの米国企業収益はS&P社の80%が予想を上回っていると伝えられる(ファイナンシャルタイムズ7.20.11) ※図表1参照

② 世界的潤沢な投資資金

⇒ 株高にもかかわらず米金利が低下しているのは景気不安でもリスク回避でもなくひとえに金余りによるものと考えるべきであろう。源泉は高い米国家計貯蓄率、好調な企業収益に加えて、過剰償却(グローバリゼーションとネット革命により所要投資額が激減している)による。※図表2.3参照

③ 金融緩和による大幅な長短金利差

⇒ 金融機関収益の強固な下支えの存在。ドット・フランク法、金融規制によって金融機関の収益不安から金融株が低調だが金融機関収益のダウンサイドは防御されている。※図表4参照

④ 以上の①~③の好ファンダメンタルズにもかかわらず、

欧州財政金融不安、米国の債務上限問題、日本の政局不安などから市場心理は暗い。ヘッジファンドの中には極端に現金比率を引き上げている投資家もある。

しかし、欧・米・日の債務不安は新しい要素は何もなく(nothing new)、過去の積み残しの処理を巡っての政治対立に市場がいら立っている、という構図である。ギリシャ支援に対するドイツの反対、米国共和党による連邦債務上限引き上げ反対、は処理を誤ればイタリア、スペインへのソブリン危機の波及、米国のデフォルトに結び付きかねない要素を持っている。故に市場の反乱は、最終的政治合意を誘導するプロセスと考えられる。つまりいずれも、「雨降って地固まる」材料と言える。

以上によりグローバルなリスクテイクの復活が起きれば、日本株式が最も魅力的投資対象として浮上する。益回り7%、長期金利1%の格差(リスクプレミアム)が前例のない大きさであることは、言うまでもない。それは日本で両者のさやを取る金利裁定が働いていないとを示すが、それがいよいよ終わる可能性が近づいていると考えられる。
※図表5.6参照



著作権表示©2011 株式会社武者リサーチ
本書で言及されている意見、推定、見通しは、本書の日付時点における武者リサーチの判断に基づいたものです。本書中の情報は、武者リサーチにおいて信頼できると考える情報源に基づいて作成していますが、武者リサーチは本書中の情報・意見等の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。かかる情報・意見等に依拠したことにより生じる一切の損害について、武者リサーチは一切責任を負いません。本書中の分析・意見等は、その前提が変更された場合には、変更が必要となる性質を含んでいます。本書中の分析・意見等は、金融商品、クレジット、通貨レート、金利レート、その他市場・経済の動向について、表明・保証するものではありません。また、過去の業績が必ずしも将来の結果を示唆するものではありません。本書中の情報・意見等が、今後修正・変更されたとしても、武者リサーチは当該情報・意見等を改定する義務や、これを通知する義務を負うものではありません。貴社が本書中に記載された投資、財務、法律、税務、会計上の問題・リスク等を検討するに当っては、貴社において取引の内容を確実に理解するための措置を講じ、別途貴社自身の専門家・アドバイザー等にご相談されることを強くお勧めいたします。本書は、武者リサーチからの金融商品・証券等の引受又は購入の申込又は勧誘を構成するものではなく、公式又は非公式な取引条件の確認を行うものではありません。本書および本書中の情報は秘密であり、武者リサーチの文書による事前の同意がない限り、その全部又は一部をコピーすることや、配布することはできません。