誤解を招いた米国GDP発表
1Q実質GDPが1.9%から確報値では0.4%へと大幅に下方修正されたことに加えて、2Qが1.3%とコンセンサスを大きく下回る失望的速報値発表になったことにより米国悲観論が高まっている。折りしも米国連邦政府債務上限引き上げ問題で共和党との合意がつかず、米国のデフォルトと格下げ懸念が高まっていたことから、7月29日(金曜日)の米国株式は月末日ということもあり下落した。
しかしこの悲観展開は、①米国債務上限問題は必ず解決されるはずであること、②米国GDPの実態は決して悲観すべき内容ではないこと、③投機筋の悲観心理につけこんだ売り崩しが進行したと見られることにより、大きく転換すると考えられる。最重要ポイントは米国GDPの検証である。
第一に、1Qの大幅下方修正の要因はもっぱら在庫と輸入によるもので、国内需要は全く変化しておらず景気実勢は損なわれていない。大きな修正箇所は2つで、在庫投資の修正により民間投資が前期比12.3%から3.8%に急下、それと輸入の増加(5.1%から8.3%へ)である。需要実勢を示す国内最終販売額は、従来予想でも今回の確報値でも4.3% と全く変わっていない。また、政府リストラにより政府の購買が激減している(-5.9%)ことを考えると、民間需要はむしろ堅調であったと考えられる。
下期の回復に期待が持てる
第二に、第2四半期の失望の原因は消費が1Qの2.1%から0.1%へと急減していることであるが、それはもっぱら自動車を中心とした耐久消費財の落ち込みによるもの。その原因は日本の震災による供給途絶と考えられる。これはむしろ3Qの需要増加要因となる。足を引っ張っていた政府部門のマイナス一巡と合わせて、2011年下半期の米国経済は着実に伸び率を高めるものとみられる。上半期の一過性要因による悲観が一巡すれば、米国株価とドルの押し上げ要因になろう。
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